ベン・ハーの副題は、「キリストの物語」である。海戦と戦車競争の活劇が終わると、物語は十字架の最終章に進む。十字架刑は当時はありふれた刑罰であったが、この時以来、十字架はイエス・キリストのシンボルとなっていく。 イエスの十字架は、元々は強盗バラバのものであった。 その十字架をイエスが負うことになったのである。ここに、神の子が、罪ある人に代って、神の罰を受ける神学的意味がある。 映画ではこの未明のゲッセマネでのイエスの異様な苦しみの情景が抜けている。それがなければ、イエスの十字架だけでは、「罪の赦し」の成就が解釈できないことになる。十字架刑は何もイエスだけのものではないのだから。 罪、すなわち自分の意思では制御できない狂気を、園のイエスの苦しみに重ねあわせる。次に、目を十字架上のイエスに転じる。釘が打ち込まれた肉からしたたる血に、自らの罪を思う。血を流しきったイエスに再び聖霊がその光を取り戻す。 そこで、ふっと自らの狂気が消える。 「大祭司となられた」の修正2023/1/8 イエスは生まれながらにアロン家の唯一の男子でなければならない。「処女受胎」の奇跡はそのためにこそ意味がある。当然マリヤさまはアロン家(生き残り)の唯一の姫さまでなくてはならない。マリヤさまがアロン家のヒントは、「ルカによる福音書」の「アロン家の娘のひとりであるエリザベツ」とマリヤさまが親戚であると御使が告げたことによる。 イエスに恩赦を与えたい総督ピラト ピラトがあたかも悪者であるかのように言う者がいるが、ピラトは三度もイエスの死刑に関わりたくない態度を示している。業を煮やしたピラトは部下ではなく「彼ら」にイエスを引き渡し自由に扱わさせたのである。だからイエスを刑場に追いやったのはユダヤ人である。十字架に釘付けしたのも彼ら祭司長たちの手下である。 「ルカによる福音書」23章 23-16だから、彼をむち打ってから、ゆるしてやることにしよう」。[23-17祭ごとにピラトがひとりの囚人をゆるしてやることになっていた。]23-18ところが、彼らはいっせいに叫んで言った、「その人を殺せ。バラバをゆるしてくれ」。23-19このバラバは、都で起った暴動と殺人とのかどで、獄に投ぜられていた者である。 |
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獄中でらい病を患い、死の谷に棲んでいたベン・ハーの母と妹が、イエスの十字架事件に遭遇した。十字架の影が母娘を横切るシーンがある。 このあと奇跡が起こる。一つはこの母娘の肉体に、もう一つはローマへの復讐心に燃えていたベン・ハーの心にである。ベン・ハーのユダは、十字架上のイエスが口にした言葉を聞いた時、心から怒りが消えた、とエステルに告げる。 「ルカによる福音書」23章 23-34そのとき、イエスは言われた、「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです」。 |
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「ベン・ハー」 |
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2014/4/22-24 オリジナル教会(初代代表) 笹倉正義 正式名称:(笹倉宗)聖母マリヤ福音教会 2019/11/18(サイズ変更) 2023/1/8 |